「身体検査」Part1まずはそこから「健康」を理解してみましょう 

私は実家で男の子のワンちゃんととても長い間一緒に暮らしていたことがあります。

その当時、私はいくつかワンちゃんたちと暗黙のルールを共有していました。

ワンちゃんたちがドアを見ているだけで、彼らがトイレに行きたいのだとわかりました。

お腹が空いて何かを食べたいときには私の周りにきて私に吠えて訴えかけてきます。

気配りの行き届いた飼い主は、ペットの行動を観察することで、その感情や性格についても学びとることができると一般的には言われています。

しかしながら、家庭において飼い主さんたちはペットたちの感情や性格を学び取るだけ

でなく、健康に関してももっと多く学びとるべき必要があると私は考えます。

飼い主さんの中には、ペットを動物病院に連れて行った受診の際に、獣医師が素早くペットの頭からつま先までチェックしていることに気が付かれた人もいると思います。

この獣医師の素早い行動は「身体検査」と呼ばれます。

この「身体検査」は、獣医師がまずはペットの体に異常がないかを判断するのに役立ちます。

実際に、自宅でペットたちが痛みなどの辛さを我慢していないかを5〜10分の簡単な身体検査で早期に発見できるやり方がいくつかあります。

それでは、自宅でペットたちの健康状態を学ぶのに簡単な健康診断方法を紹介していきましょう!

(図1身体検査の姿勢)

自宅での簡単な身体検査は、ペットの頭から始めます。

まず、ペットの耳(外耳)をそっと開いて、耳の内外に抜け毛や赤みがないかを確認します。健康的な外耳は淡い白から淡いピンク色である必要があり、外耳道の出口に明らかな分泌物や過度に黄褐色の耳垢があってはいけません。

次に、目と鼻の2つの部分を確認します。ペットの目と鼻の周りの領域は、乾燥していて分泌物がなく、且つ頻繁に瞬きしないことです。まぶたの部分は健康的な淡いピンク色に見えるはずです。

眼球部分では、ペットの眼球が異常に曇っていないかをさまざまな角度から観察し、人差し指と親指でまぶたをそっと開いて白目(強膜)を確認します。

その時に白目部分が黄色掛かった、または血走っている場合には、動物病院に連れて行き、獣医師により詳細な目の検査をしてもらってください。

口腔の健康は、飼い主さんが見落としがちで、最も問題が発生しやすい場所です。多くの飼い主は、ペットが食べ物を食べられるのであれば、その口の中や歯は健康だと思い込んでいます。

実際には、そうではありません。

ペットの痛みなどへの辛さを我慢できる限界点は想像する以上よりはるかに高く、痛みを伴う状態でもその食欲に影響ない可能性があるため、口腔の状態がより深刻で、食事に影響を与える様な異常が見られることがよくあります。

そのことからも、飼い主さんはペットの口の中の健康状態をチェックする習慣を身につけてもらう必要があります。

チェックする方法は、動物の種類によって若干異なります。

犬の場合には、上顎の側面の口の皮膚をそっと持ち上げるか、下顎の側面の口の皮膚をゆっくりと下にスライドさせて、歯茎と歯を露出させることができます(図2および図3)。猫の場合、親指を使って口の片側の皮膚を口の角に沿って優しく動かせば、その後の口の中を簡単にチェックすることができます(図4および図5)。

ペットが口の周りに触れることを許してくれる場合は、ペットの口を開き、口腔、歯の内側、さらに舌の状態をもっと詳しく調べてみて下さい。

その一方で、ウサギやマウスのように口の開口部が小さい動物は、定期的に動物病院に連れて行き、専門の獣医師による検査してもらうことをお勧めします。

(図2犬の口頭検査-健康的な歯茎の色と歯)
(図3犬の口腔検査-歯茎の腫れと歯石)

健康的な歯茎は均一な淡いピンク色を示すはずであり(図2または図4に示すように)、ペットが激しい運動をした後にはわずかに濃いピンク色を示す場合があります。

歯茎の色が白の場合は貧血の可能性があり、また歯茎の色が濃紫や真っ赤の場合は「低酸素症」や「熱中症」の可能性があります。

その場合には早急に動物病院に入院して検査を受けて頂く必要があります。

一部の犬や猫は、歯茎や口の内側にメラニン色素が沈着してくる場合がありますが、それが拡大し続けない限りには特に異常はありません。

歯茎を検査する際には、表面を軽く押したり離したりして、押した際に歯茎の表面の色が白から淡いピンク色に戻るまでの時間を測ることからその状況が判断できます。

この色が戻ることをキャピラリー補充時間(Capillary refill time, CRT)と呼びます。

この方法は通常、血管灌流の状態を把握するのに使用される方法です。

健康的な犬と猫のCRTは2秒未満で戻るはずと言われています。

2秒を超える場合は、血液の灌流に問題がある可能性があります。

ペットの歯は、ブラッシング後の私たちの歯と同じくらい白くて均質でなければならず、歯石や食物の残留物が蓄積してはいけません。

歯茎と歯根の接合部に赤みや腫れがある場合は、歯茎の炎症や歯周病の可能性があることを意味し、獣医による治療が必要となります。

上記の口腔状態を確認することで、犬や猫の唾液の量や粘度も評価することができます。口の中に唾液がほとんどない場合や唾液が非常に濃い場合は、ペットたちは脱水症状の可能性があります。脱水症状が出た場合は、できるだけ早くきれいな水を用意し、それを飲ませるか、病院に連れて行き検査してもらって下さい。

(図4猫の口頭検査-健康的な歯茎の色と歯)
(図5猫の口腔検査-歯茎の腫れと歯石)

ペットの頭を詳しくチェックした後、飼い主さんで両手を使い、頭からペットのあご、首、背中、腹部、手足、尾に沿って触れて、それらの部分をそっと押してみて、そこに右左で非対称の突起または腫れが特定の部分にあるかどうかを確認して下さい。

その部分を触った後は、人差し指で全身の毛(特に腹側)を突いてみて、赤み、脱毛、傷などがないか確認してみて下さい。普段、ペットたちが外から自宅に戻った際には、特にダニが付着しやすい耳やあごなどの個所の内外を注意して確認する必要があります。

上記の検査手順は複雑の様に見えるかもしれませんが、これらすべての検査をするのに

10分もかからない場合があります。

このように簡単にできますので、ペットたちの異常を早期に発見する為にも、飼い主の皆様方は自宅で定期的な(できれば毎週)検査の習慣を身に付けてみて下さい。

また、小さい頃からペットたちにこの様な検査に慣れさせることができれば、例えペットたちが病気になったり、動物病院に行って健康診断を受けたりしても、それほど緊張することはないので、ペットたちの身体的と心理的の両側面に役立つと思います。

記の記事は「Techncare 顧問獣医師」が執筆したものを和訳したものです。

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